2008年3月15日土曜日

二代目経営者ガンバレー!

二代目経営者が頑張る大阪府下の中小企業を見せてもらった。第一プラスティック㈱の松田雄一郎社長、㈱中田製作所の中田寛社長、㈱岩本モデル製作所の岩本 明久専務の3人の経営者はともに二代目である。それぞれの会社の詳細はそのHPに譲るが、大企業の係長や課長が組織の一つの歯車として、上から落ちてくる 仕事を無難にこなすだけに終始していたり、自分がやる気でも上も下も付いて来ないでストレスと虚無感に苛まれたりと悩みの多いミドルたちと違って、この3 人はともに意気軒昂で話していても気持ちがいい。三人とも父親が創業した家業の後を継ぎ順調に発展させている。人間の生き方を考えさせられる貴重な体験で あった。今回はその訪問記である。
① まず、松田雄一郎君。中学生のときに父親から「会社をやるかー?」と言われて決心した経営者の道を「経営者になるために生れてきたんだ」と26歳で社長を 引き継ぎ、今は32歳。工場を案内しながらプラスティック加工の工程を詳細に説明する眼は自信に溢れている。やる気満々の若大将には技術知識の習得も軽々 とこなせるのであろう。32歳で「本当にモノづくりの好きな若者に活躍の場を提供する」と言いきって見せる。頼もしいものだ。ご両親も会社の経営をすっか り松田君に託し、夫婦で気候の良いところで好きなゴルフ三昧とか。これも大会社の重役にはできないことですね。
② 次は中田寛君。中田製作所はアルミ加工を専門にする会社で、大学から銀行に進んだ中田君をお母さんが二代目社長への就任を懇願され、落とされたと笑う。入 社した息子に父親は厳しかったが、業界トップレベルの超精密加工50μ→10μ→8μと技術者の部下2人と挑戦し続け、業界に中田製作所の名を確立させ、 二代目社長に就任したという。他社に類を見ない高い技術力は会社の信頼を上げ、超精密技術を要しない分野での業績も向上したという。ここの工場を見て回る と他所との違いが歴然としている。職人たちの目が光っているのだ。良い仕事をしているのはその眼に力があるのだ。
③ 岩本明久君はモデル製作所の二代目だ。家電製品などの商品企画や開発の前段階で必要になるモデルをNC技術を駆使して製作するのが仕事だが、この会社の面 白いのは、まず岩本君自身が若い時に悪ガキ(元ヤン)だったこと。だからこの会社には元ヤンが何人もいるという。工場見学のときにもアゴヒゲを蓄えた喧嘩 の強そうな職人を結構見た。そして、元ヤンたちは今はみんな真面目で良く仕事をするという。一つのモデル作りを分業せず、最初から最後まで一人に任せる仕 事の仕組みがいい。任された若い職人はみんなが一生懸命で、ここでも職人が良い眼をしていた。ヤンキーと言われる若者たちは実は真面目だから自分をごまか せずにヤンキーになることが多い。だから根は真面目なのだ。心から信頼できる元ヤンの岩本を大将にして彼らは懸命に社会に役に立とうとして頑張っている。
その内にチャンスを見つけて彼らを西岡塾に呼んできます。

1 件のコメント:

西岡郁夫 さんのコメント...

評価の厳しい塾長がエールを贈るほど、お三方とも充実した仕事振りだったのだと思います。
 世間一般的に世襲や同族経営については厳しい意見が多いのですが、 私個人としては「メリット・プラス面」もあると思うので、一概に悪いとは言えないと思います。
 弊社の現社長は、創業者の長男です。新社長発表時、私は創業会長の秘書をしておりましたので、率直に「なぜ実子を後継者に選んだのか?」と訊ねてみました。
「全ての社長候補を平等に評価したけれど、社長業に対する『覚悟』という点で他を圧倒していたから」という答えでした。
「能力面で劣る部分は、素直に自覚をし、優れた人に自ら頭を垂れて知恵・力を借りればいい。しかし、良かれ悪しかれ全ての責任は社長である自分が取るという覚悟みたいなものは人から貸してもらえるものではないから。その辺の覚悟が一番大事」と。
(親の贔屓目もあるかもしれませんが…)
 現社長にしてみれば、子供の頃から、企業家として日々経営に邁進する父親の背中を見て育っている訳で、やはりそういった環境が胆力を育て「大人になったら俺も社長!」と早い時期から覚悟させるのかもしれません。
 きっと、僕たちミドルも同じで、なるべく若い段階から、自分が担当している仕事や組織(部・課)に対する全ての責任は自分が取るぞ!という胆力・覚悟をどれだけもって頑張れるかが大事なのだと思います。
 二代目社長陣に負けないように頑張るぞー!と思う上田@弟です。

上田健次