以前、e-woman社長の佐々木かをりさんのご著書「自分が輝く7つの発想」(光文社)の感想文を書かせて頂いたときに、以下のような事例を紹介した。
先日、天気のいい日に新幹線に乗っていたら「皆さん、本日は大変いいお天気で富士山が美しく見えます。もう少し参りますと富士山が一番美しく見える場所に 列車が差し掛かりますので改めてアナウンス致します」という車内アナウンスがあった。しばらくして「皆様、いま富士山が一番美しく見えます」というアナウ ンス。なるほど煙突の煙も少ない場所で正しく絶景であった。列車の中は乗客が山側の窓際に集まって「うわー、綺麗! こんな富士山を始めて見た」と歓声を 上げた。そのとき、この車掌さんは自分の仕事に誇りを持っておられるなァと思ったものだ。自分もこういう仕事をしようと思う。
先日、鹿児島に行ったときの帰りの飛行機(JAL)では左の窓側に席を取り、何気なく窓の外を見ていたら、凄―い富士山を見た。鹿児島発が16時の便だっ たから、それは17時半頃だったか、暮れなずむ富士が雲海の中にすっくと立っていた。暗くなりかけた雲の中にほとんど山全体がくっきりと見えた。これまで に一度だけ飛行機から見た赤富士もそれはそれは美しかったが、暗い雲の中に佇む富士も美しかった。
で、当然ながら僕は上のエピソードの車掌のアナウンスを思い出した。
乗客が狭い窓から眺めてこれだけ感激しているのだから、当然、機長と副操縦士も同じ富士を見ているはずだ。操縦席の大きな窓からは、きっと息を呑むほど美しかったはずだ。
しかし、今回は残念ながら何のアナウンスもなかった。左の窓側に座る多くの人たちが何も知らずにいた。
結局、自分の機に乗り合わせる乗客たちと美しい富士山を見る喜びを分かち合うなんて、その操縦士たちにはなかったのだろう。感受性の問題か、仕事への誇りの問題か誰にも分からない。
ついでながら、僕は隣の年配の男性に「富士がきれいですよ!」と声を掛けた。怪訝そうに窓の外を眺めた男性が「おー、美しいー!」と声を出したので、我々 の前後の席の人たちは「あらー」とか「へー」とか言い言いしながら富士山を楽しんだ。もとりん、アナウンスの威力には適わない。
2008年3月15日土曜日
自分の仕事に誇りを持つということ
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