2008年2月29日金曜日

メールの効用 (NBonline「経営新世紀」 2007/03/30)

前稿で、私の交友範囲でメールの返信の速い人たちをご紹介したが、その影響で面白いことが起こった。今回はそのご紹介だ。
 「幹部だからこそメールを」がNBonlineにアップされたとたんに、石倉洋子さから、

『西岡さん、褒めてくれてありがとう。一緒に褒めてもらった黒川さんと私と、褒めてくれた西岡さんとで若いビジネスパーソンを対象にイノベーションをテーマに鼎談でもやらない? 何かアイディアは? 石倉』
と返信があり、このメールがccされていた黒川さんからも、

『thanks for this info Yoko-san, and Nishioka-san, for quoting me.』
と直ちに礼状(黒川さんはいつも英文)が来た。
 石倉・黒川・西岡でイノベーションに関する鼎談が出来れば面白いなー!と思ったので、お二人には、

『考えましょう。問題は最も効果的に影響を与えられる場の演出ですね。新しい丸ビルのオープンに当たってイベントを組みましょうか。ちょっと当たってみます。西岡』
と返信をしておいて、丸ビル東京21cクラブをマネージしておられる三菱地所の田中克徳さんに以下のメールを出した。以下、田中、石倉、西岡のメールによる相談である。

『田中さん、西岡から相談です。日本学術会議前会長で現内閣特別顧問の黒川清さん、一橋大学ICS教授の石倉洋子さんと西岡郁夫で若いビジネスパーソン対 象にイノベーションに関する鼎談をやろうかということになりました。折角やるなら何か影響力のある場を作りたいので、たとえば、新しい丸ビルのオープンに 関連したイベントといったチャンスはありませんか? 西岡』

『西岡さま、お世話になっております。現状考えられますのは:(1)丸ビルホール(最大400名)を移転後のクラブ全体イベント第一弾として7月9日 (月)に押さえております。(2)5月中など、早い時期なら、移転後の新丸ビル10階の21cクラブオープンスペース(100名程度)が確保可能です。取 り急ぎ。 地所 田中』

『田中さん、早速の返信をありがとう。7月9日(月)、丸ビルホールでの移転後のクラブ全体イベント第一弾が最高です。地所の木村社長にも参加してもらいましょうか。西岡』

『西岡さま、7月9日(月)承知しました。開催時間は集客力の高い、17:00~19:00でいかがでしょう? 尚、当日社長の木村は海外出張の可能性が 高く、流動的にお考えいただければ幸いです。企画が固まった段階で、ご相談させていただきたく存じます。当日は、毎年開催しております東京21cクラブの 全体ネットワーキングパーティも夜7時からございます。先生方には引き続きご出席いただければ幸いです。取り急ぎ。地所 田中』

『石倉さん、アイディアが固まりました。新しくオープンされる丸ビルへ移転する21cクラブのイベント第一弾が7月9日(月)に新しい丸ビルホールで開催 されます。最大収容人数は400名です。そこで、最も集客の多い17:00~19:00に黒川・石倉・西岡のイノベーションをテーマにした鼎談を企画しま す。三菱地所もOKです。7月9日は日程を抑えて頂けますか? Kurokawa-san, what about your availability in the evening of July 9th? 西岡』

『西岡さん、石倉洋子です。さすがに話がはやい!と感動しています!ありがとうございます。私は7月9日OKです。 Dr. K, how about you? Can you make it?』
 まあ、ざっとだがこういうプロセスで2日間位の間に大物たちとの鼎談が、しかも前人気の高い新丸ビルでの開催が決められた。関係者がメールをやらない人 たちなら絶対に無理だ。いまどきメールの効用を説くなど時代錯誤も甚だしいと自覚しているが、本当の効用を分かってもらいたい会社幹部もまだワンサとい る。

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