丸の内「西岡塾」の7期が13、14日両日、横浜のオンワード総合研究所における合宿での卒塾論文発表会で修了した。
その1日目の13日(土)には塾生たちのグループによる卒論作成の仕上げの討議の合間を縫って、「ミドル如何にいくべきか」をテーマにパネルディスカッションを行い、その後、懇親パーティをひらいた。
パネルディスカッションではゲストに松井証券社長、渡辺東海バネ工業社長、樋口天彦産業社長、松田ユニゾンキャピタル・パートナー(元みずほ証券副社長)や過去の卒塾生たちが加わり、23名の卒塾生が熱い議論を展開した。
「ミドルは会社を動かせるのか」、「経営者に出来ないミドルの役割」、「出世は目的か手段か?」などなど塾生たちのプレゼンにフロワ―から辛辣な質問、反論、温かいアドバイスが飛んだ。2時間の予定が3時間弱に及び、そのあと行われた懇親会までゲストを交えて熱い議論が続いた。
翌14日は朝から卒塾のための卒論発表会。審査委員には塾長の私に加え、一橋大ICSの竹内弘高学科長、小林三郎同客員教授(ホンダでエアバッグ開発に成功した元経企室長)、渡辺社長、松田副塾長が加わった。4、5人ずつに分かれた5グループによるプレゼンテーションが行われたが、西岡塾では知識ではなく感性の鍛錬に重きを置かれるので、日頃から「プレゼンでは姿勢、表情、目線、声の大きさや高さ、話す速度、間の取り方にも注意」という教育もしてきたが、昨日のみんなのプレゼンは素晴らしかった。
ここでも審査委員や塾生を送り込む各社のゲストが真剣な質疑、アドバイスを展開し充実をした発表会を終えることが出来た。関与頂いた諸兄に深謝します。
その後のパーティでは各自が思いのたけの感想や将来の抱負を述べ最後は肩を抱き合って別れを惜しんだ。塾長としてもみんなの寄せ書きを贈られ、ジーンと目に涙がにじんだ。こういう感激を毎期、毎期味わえるとは、毎週金曜日に頑張ってきて本当に良かったと思う。
塾生のみなさん、一緒に頑張ってこられて良かったね。来期が始まっても卒塾生としていつでも塾に遊びに来て下さい。ありがとう。
2008年12月5日金曜日
東海バネ工業のポーター賞受賞記念講演会を開きました
西岡塾の講師をして頂いている渡辺良機社長がついに快挙を達成しました。
12月4日にホテル・オークラで開かれた授賞式では渡辺社長がハーバード大学教授で戦略論の第一人者であるマイケル・E・ポーターから「独自性のある優れた戦略を実行して高い収益性を達成・維持している」と栄えある賞を受賞されたのです。詳細は以下のポーター賞HPを参照してください。
http://www.porterprize.org/porterprize.html

12月4日にホテル・オークラで開かれた授賞式では渡辺社長がハーバード大学教授で戦略論の第一人者であるマイケル・E・ポーターから「独自性のある優れた戦略を実行して高い収益性を達成・維持している」と栄えある賞を受賞されたのです。詳細は以下のポーター賞HPを参照してください。
http://www.porterprize.org/porterprize.html

C042160.JPG(ポーターから受賞する渡辺社長の晴れ姿です)
そこで、西岡塾では同日の夕刻から「東海バネ工業のポーター賞受賞記念講演会」を六本木ミッドタウンで開催しました。
まず、ポーター賞の記念品である“out of box”のflagを持って入場する渡辺社長ご夫妻を拍手で迎えたあと、西岡から趣旨説明、渡辺社長ご挨拶、JVC-ケンウッド河原CEOの乾杯と続いて約一時間のお祝いパーティーのあと、いよいよ
一橋大学ICS藤川先生の「東海バネのケーススタディ」に進み、現役塾生だけでなく卒塾生や飛び入りの人たちも入り乱れて熱い議論が展開されました。その議論に渡辺社長が生で答えるという、藤川先生に言わせると「本人を交えて会社の戦略を研究する最も贅沢なケーススタディ」を堪能しました。
その後は西岡が引き継ぎ、常盤 花王元社長、河原JVC-K会長というこれまた贅沢なパネリストで「東海バネの強さの秘密を考える」というパネルをやりました。理論的、学問的な戦略解剖に渡辺社長の人間臭い「部下への思い」が絡んで大変興味深いパネルとなりました。参加者のみなさんの熱いパッションが会場を盛り上げました。
お忙しい中駆け付けて頂いた常盤さん、河原さんに心から御礼を申し上げます。
そこで、西岡塾では同日の夕刻から「東海バネ工業のポーター賞受賞記念講演会」を六本木ミッドタウンで開催しました。
まず、ポーター賞の記念品である“out of box”のflagを持って入場する渡辺社長ご夫妻を拍手で迎えたあと、西岡から趣旨説明、渡辺社長ご挨拶、JVC-ケンウッド河原CEOの乾杯と続いて約一時間のお祝いパーティーのあと、いよいよ
一橋大学ICS藤川先生の「東海バネのケーススタディ」に進み、現役塾生だけでなく卒塾生や飛び入りの人たちも入り乱れて熱い議論が展開されました。その議論に渡辺社長が生で答えるという、藤川先生に言わせると「本人を交えて会社の戦略を研究する最も贅沢なケーススタディ」を堪能しました。
その後は西岡が引き継ぎ、常盤 花王元社長、河原JVC-K会長というこれまた贅沢なパネリストで「東海バネの強さの秘密を考える」というパネルをやりました。理論的、学問的な戦略解剖に渡辺社長の人間臭い「部下への思い」が絡んで大変興味深いパネルとなりました。参加者のみなさんの熱いパッションが会場を盛り上げました。
お忙しい中駆け付けて頂いた常盤さん、河原さんに心から御礼を申し上げます。

PC042563.JPG
(前列椅子に腰かけて人たちが、右から藤川、河原、常盤、渡辺ご夫妻、西岡)
(前列椅子に腰かけて人たちが、右から藤川、河原、常盤、渡辺ご夫妻、西岡)
2008年11月5日水曜日
東海バネ工業がマイケル・ポーター賞受賞
ポ―ター賞は、独自性がある優れた戦略を実行し、その結果として高い収益性を達成・維持している企業を表彰するため、2001年7月に創設され、今年で第八回目を迎えます。賞の名前は競争戦略論の第一人者であるハーバード大学のマイケル・E・ポーター教授に由来しています。(http://www.porterprize.org/)
とマイケル・ポーター賞の公式HPが紹介するこの大きな賞に東海バネの受賞が決まった。
渡辺良機社長、社員のみなさま、大変おめでとうございます。
東海バネさんのことについて講演やブログなど折にふれてお伝えしてきた。
たとえば、昨年の日経ビジネスオンライン(NBonline)一周年記念行事での花王元会長の常盤文克さんとの対談でも新日本型経営としてご紹介している。
[社員が燃える新日本的経営(その1) (NBonline「経営新世紀」 2007/06/29)]
その常盤さんも東海バネにご一緒に視察に言って頂いたし、東大の伊藤元重教授(経済学)、元東大教授で現在は丸の内ブランド塾を主宰しておられる片平秀貴先生(ブランド戦略)、神戸大の金井壽宏先生(経営学)、一橋大の藤川佳則 准教授(国際企業戦略)もご案内してみなさんが高くご評価頂いたものだ。自分の家内などは一緒に工場見学をさせて頂いた直後に感想を聞いたら、「職人さんたちの眼が光っておられますね」と答えた。
この会社の「多品種微量生産」に拘るビジネスモデルが優れていることは上の先生方をはじめ多くの識者が高く評価されていることである。そこで、ここでは敢えてその点には触れず一言だけ、「渡辺良機社長の人間力」に触れてみたい。
大阪市の「IT西岡塾」で関与させて頂いて、その成果としてIT百選最優秀賞を受賞されたことも好例だが、渡辺社長の特徴は一つの成果をより大きな成果へどんどんステップアップされることであろう。それは渡辺良機さんの人間力がなせる技なのだ。証拠がある。厳しい労働に明け暮れる職人さんたちの眼が輝いていることだ。社長の人間力が社員の表情に正直に現れる。
とマイケル・ポーター賞の公式HPが紹介するこの大きな賞に東海バネの受賞が決まった。
渡辺良機社長、社員のみなさま、大変おめでとうございます。
東海バネさんのことについて講演やブログなど折にふれてお伝えしてきた。
たとえば、昨年の日経ビジネスオンライン(NBonline)一周年記念行事での花王元会長の常盤文克さんとの対談でも新日本型経営としてご紹介している。
[社員が燃える新日本的経営(その1) (NBonline「経営新世紀」 2007/06/29)]
その常盤さんも東海バネにご一緒に視察に言って頂いたし、東大の伊藤元重教授(経済学)、元東大教授で現在は丸の内ブランド塾を主宰しておられる片平秀貴先生(ブランド戦略)、神戸大の金井壽宏先生(経営学)、一橋大の藤川佳則 准教授(国際企業戦略)もご案内してみなさんが高くご評価頂いたものだ。自分の家内などは一緒に工場見学をさせて頂いた直後に感想を聞いたら、「職人さんたちの眼が光っておられますね」と答えた。
この会社の「多品種微量生産」に拘るビジネスモデルが優れていることは上の先生方をはじめ多くの識者が高く評価されていることである。そこで、ここでは敢えてその点には触れず一言だけ、「渡辺良機社長の人間力」に触れてみたい。
大阪市の「IT西岡塾」で関与させて頂いて、その成果としてIT百選最優秀賞を受賞されたことも好例だが、渡辺社長の特徴は一つの成果をより大きな成果へどんどんステップアップされることであろう。それは渡辺良機さんの人間力がなせる技なのだ。証拠がある。厳しい労働に明け暮れる職人さんたちの眼が輝いていることだ。社長の人間力が社員の表情に正直に現れる。
2008年10月2日木曜日
夫婦喧嘩でもしたの?
先日、ある大企業にベンチャーを連れて行った。お2人がお相手をして頂いた。表題はその時のお一人への率直な感想である。
ベンチャーが一生懸命に、最初の下らないビデオでの紹介はさておいて、全体としてなかなか上出来のプレゼンを行った。
ところが、難儀なことには担当責任者と思われる人が全然興味を示さない。
プレゼンを聞く態度が初めから後ろ向きで、終始、苦虫を噛み潰したような顔をしているのだ。髭のソリ後も涼やかな清潔そうな男なのだが惜しいことに表情が暗い。夫婦喧嘩でもしてきたような表情である。
余りのことに、プレゼンが終わってから、「如何ですか?」と顔を正面から見据えて聞いてみたところ、「プレゼンがよく分からなかったのだが、つまりxxxとyyyという二つの提案ですか?」という的外れの答えというか疑問が返ってきた。こりゃあんまりだ。とくにyyyなど触れても居ない。懸命にやっているベンチャーが可哀想ではないか。
丸の内「西岡塾」に引き立てて塾生として叩き直してやりたいと思った。
みなさん、顔は持って生まれてきたものだから代えられない。しかし、表情は自分で自在に変えられるのですよ。そして人に与える印象は表情が決め手なのです。悲しそうな表情、興味の無さそうな表情、ムカっと怒っている表情、眠たそうな表情、活き活きとした表情、嬉しそうな表情、、、、
こういう表情は自分で制御できるのだ。上司から見たら、興味の無さそうな表情をしている部下に仕事を与える気がしないよ。そりゃ有難い。仕事など欲しくないという人はこのブログを読む必要はない。部下から見たら、いつもムカっと怒っている表情、眠たそうな表情の上司の下でなど働きたくもないではないか。
この重要な表情が自分次第だと言うことをもう一度思い返して下さい。そして、活き活きとした表情を意識して作りましょう。
ベンチャーが一生懸命に、最初の下らないビデオでの紹介はさておいて、全体としてなかなか上出来のプレゼンを行った。
ところが、難儀なことには担当責任者と思われる人が全然興味を示さない。
プレゼンを聞く態度が初めから後ろ向きで、終始、苦虫を噛み潰したような顔をしているのだ。髭のソリ後も涼やかな清潔そうな男なのだが惜しいことに表情が暗い。夫婦喧嘩でもしてきたような表情である。
余りのことに、プレゼンが終わってから、「如何ですか?」と顔を正面から見据えて聞いてみたところ、「プレゼンがよく分からなかったのだが、つまりxxxとyyyという二つの提案ですか?」という的外れの答えというか疑問が返ってきた。こりゃあんまりだ。とくにyyyなど触れても居ない。懸命にやっているベンチャーが可哀想ではないか。
丸の内「西岡塾」に引き立てて塾生として叩き直してやりたいと思った。
みなさん、顔は持って生まれてきたものだから代えられない。しかし、表情は自分で自在に変えられるのですよ。そして人に与える印象は表情が決め手なのです。悲しそうな表情、興味の無さそうな表情、ムカっと怒っている表情、眠たそうな表情、活き活きとした表情、嬉しそうな表情、、、、
こういう表情は自分で制御できるのだ。上司から見たら、興味の無さそうな表情をしている部下に仕事を与える気がしないよ。そりゃ有難い。仕事など欲しくないという人はこのブログを読む必要はない。部下から見たら、いつもムカっと怒っている表情、眠たそうな表情の上司の下でなど働きたくもないではないか。
この重要な表情が自分次第だと言うことをもう一度思い返して下さい。そして、活き活きとした表情を意識して作りましょう。
2008年9月29日月曜日
標準化はやはり重要ですね-2
さて、前回の問題を考えてくれましたか?
ダイナースカードに問い合わせました。電話に出た担当者に先の事情を説明すると、「その質問は時々頂きます。ちょっとお待ち下さい」と間隔があって、ECサイトによっても対応が変わりますので今からご説明します方法をやって見て頂けませんか?ということであった。勿論了解して、説明を聞きながらその通りやってみた。
2ケタ分足らないので、
① 0を14ケタの前に1ケタ、後に1ケタ入れて下さい: → 失敗
② では、0を中6桁の前に1ケタ、後に1ケタ入れて下さい:
つまり、1234 0567 8900 3456: → 失敗
そうですか、ちょっとお待ち下さい。沈黙。
③ 0を中6ケタの前に2ケタ入れて下さい: → 失敗
④ 0を中6ケタの後に2ケタ入れてみて下さい: → 失敗
もう一度お待ち下さい。沈黙。
⑤ 前詰めで14ケタ入れて、後の2ケタを無視して下さい: → 成功
そう、成功しました。実は最も原始的な方法だったんです。なるほどー!
電話に出た担当者は「本件を上に報告しておきます」と丁寧に謝った。彼女に責任はないので礼を言って電話を切ったが、ダイナースカードはなんで14ケタに固執し続けているのかなー?
やっぱり世の中の標準に合わせるのは大切ですよね!
ダイナースカードに問い合わせました。電話に出た担当者に先の事情を説明すると、「その質問は時々頂きます。ちょっとお待ち下さい」と間隔があって、ECサイトによっても対応が変わりますので今からご説明します方法をやって見て頂けませんか?ということであった。勿論了解して、説明を聞きながらその通りやってみた。
2ケタ分足らないので、
① 0を14ケタの前に1ケタ、後に1ケタ入れて下さい: → 失敗
② では、0を中6桁の前に1ケタ、後に1ケタ入れて下さい:
つまり、1234 0567 8900 3456: → 失敗
そうですか、ちょっとお待ち下さい。沈黙。
③ 0を中6ケタの前に2ケタ入れて下さい: → 失敗
④ 0を中6ケタの後に2ケタ入れてみて下さい: → 失敗
もう一度お待ち下さい。沈黙。
⑤ 前詰めで14ケタ入れて、後の2ケタを無視して下さい: → 成功
そう、成功しました。実は最も原始的な方法だったんです。なるほどー!
電話に出た担当者は「本件を上に報告しておきます」と丁寧に謝った。彼女に責任はないので礼を言って電話を切ったが、ダイナースカードはなんで14ケタに固執し続けているのかなー?
やっぱり世の中の標準に合わせるのは大切ですよね!
2008年9月25日木曜日
標準化はやはり重要ですね
使っているクレジット会社にダイナースクラブを加えたのですが、ダイナースは会員番号が14ケタなんですね。普通は4ケタx4の16ケタでしょう。
それで問題が発生しました。インターネットで決済をする時に14ケタでは受け付けてもらえないのですよ。当然ながら。
たとえば、普通のクレジット会社の会員番号は16ケタですから
1234 5678 9012 3456
だとするでしょう。これがダイナースはたとえば、
1234 567890 3456
のように4ケタ、6桁、4ケタの計14桁なんですよ。
ECサイトでクレジット決済をしようとすると、
- - -
と4ケタずつ16ケタの番号入力を求めて来ますよね。
さて、ダイナースのカードを持ってハタと思案をしました。
どうしたらいいのでしょう?
貴方ならどうするか、教えて下さい。
僕が調べ上げた答えは次回に譲ります。
それで問題が発生しました。インターネットで決済をする時に14ケタでは受け付けてもらえないのですよ。当然ながら。
たとえば、普通のクレジット会社の会員番号は16ケタですから
1234 5678 9012 3456
だとするでしょう。これがダイナースはたとえば、
1234 567890 3456
のように4ケタ、6桁、4ケタの計14桁なんですよ。
ECサイトでクレジット決済をしようとすると、
- - -
と4ケタずつ16ケタの番号入力を求めて来ますよね。
さて、ダイナースのカードを持ってハタと思案をしました。
どうしたらいいのでしょう?
貴方ならどうするか、教えて下さい。
僕が調べ上げた答えは次回に譲ります。
2008年9月17日水曜日
モバイル文化研究会
この度、私が呼び掛け人になってモバイル文化研究会を立ち上げた。会の趣旨は携帯電話を中心とするモバイル文化のグランドデザインを作るための研究をしようと言うものである。
携帯電話はすでに無くてはならない道具になっている。電話、メールはもとよりインターネットへのアクセスはPCからよりも携帯電話からの方が急速に普及している。当初はあんな小さな画面では面白くないと信じられていたのに、ワンセグでTVが見られるようになり、漫画や動画までもが携帯電話で楽しまれている。しかし、電車の改札や飛行機への予約からチェックインまでが携帯電話一つでOKというような社会になると、この後どうなるの? 社会的な抵抗力や判断力が未発達な子供たちに、有害な情報やサービスがいとも簡単に忍び寄るのを保護者は認識も出来ない状態を社会は放置していていいのだろうか?
という懸念がどんどん顕在化している。一体、子供たちは有害と思しきサイトにどの程度アクセスしているのだろう? どんな危険が待ち受けているのか?
この他にも、携帯電話にまつわる頭痛の種は尽きない。先日も、電車の優先座席に掛けていたら隣の中年の婦人が携帯でメールをしている。窓に張ってある注意書きを指差しながら「電源は切りましょう」と声を掛けたら、「あ、済みません」と言って素直に電源を切ってくれた。良かった―! ところが、直後に次の駅から乗り込んで来た学生がドカッと腰かけて携帯電話でメールを始めたではないか。先のご婦人に注意した以上、不公平には出来ないので、同様に注意した。せざるを得ないではないか。この学生はブッとした表情で場所を変えた。良かったー! で、考えた。この調子だと次の駅でも、その次の駅でも注意し続けなければならない。その内、ブスッと刺されるかも知れないではないか。なんで自分が車掌の代理をしなければならないのだろう。参ったなー!と途中の駅で降りてしまった。これからは見て見ぬ振りの権兵衛を決め込むしかないなーと、もう諦めの心境だ。だから65歳になった現在は、優先座席から遠ざかることにしている。万一、優先座席で携帯電話による医療事故が発生したときの「優先座席では携帯電話の電源を切って頂くよう注意をし続けております」という電鉄会社の責任回避のエクスキューズの犠牲者になるのはもう御免だ。「優先座席で携帯電話の電源を切らないと本当にペースメーカに有害なのか」に関しては関係者がみんな口を閉ざしている。真実はどうなのか?
こういう問題を分析し、将来への備えをシステムとして確立するために最も重要なことは事実を知ると言うことである。特に、現状では子供たちの携帯電話からのインターネットアクセスに関しては事実を知る手掛かりが無い。「あなたはどんなサイトにアクセスしていますか?」というインタビューをしても母親経由では事実は母親自身が知らないのだから意味がない。学校で調査をすれば事実を答えないであろうし、駅前でビラを配ってインタビューをするのも手間ばかり掛って実効性が無い。その点、パソコンからのインターネットアクセスの場合は本人の了解のもとに、いわゆる視聴率調査が可能であるが、携帯電話の場合は「電気通信事業法」の第4条(秘密の保護)に:
電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。
2.「電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。
という規定があってワイヤレスキャリア各社は視聴率調査に後ろ向きである。
しかし、パソコンの視聴率調査を見れば明らかなとおり、利用者自身の了解のもとに個人としてではなく一個のデータとしてのアクセス調査は社会のコンセンサスを得ているのだ。住所がどこそこの何の誰兵衛という個人情報は調査にはそもそも必要が無い。何十万人の子供たちの内の何万人が一日に平均何十回どんなサイトにそれぞれアクセスしているかという、しかも利用者自身の了解を得た調査が社会の将来を見通すための研究には必須なのだ。
モバイル文化研究会には呼び掛けに応じて、日本コカコーラ、花王、資生堂などの広告主グループ、DeNA、ニフティ、NTTレゾナントなどのネット系、ネットレイティングやマクロミルなどの調査系に慶応大学の国領教授、一橋大の米倉教授、携帯電話を持つ子供の母親といして田澤由利さんと尾花紀子さんにご参加頂いた。すでにユーザー分科会の熱い議論が始まっている。
携帯電話はすでに無くてはならない道具になっている。電話、メールはもとよりインターネットへのアクセスはPCからよりも携帯電話からの方が急速に普及している。当初はあんな小さな画面では面白くないと信じられていたのに、ワンセグでTVが見られるようになり、漫画や動画までもが携帯電話で楽しまれている。しかし、電車の改札や飛行機への予約からチェックインまでが携帯電話一つでOKというような社会になると、この後どうなるの? 社会的な抵抗力や判断力が未発達な子供たちに、有害な情報やサービスがいとも簡単に忍び寄るのを保護者は認識も出来ない状態を社会は放置していていいのだろうか?
という懸念がどんどん顕在化している。一体、子供たちは有害と思しきサイトにどの程度アクセスしているのだろう? どんな危険が待ち受けているのか?
この他にも、携帯電話にまつわる頭痛の種は尽きない。先日も、電車の優先座席に掛けていたら隣の中年の婦人が携帯でメールをしている。窓に張ってある注意書きを指差しながら「電源は切りましょう」と声を掛けたら、「あ、済みません」と言って素直に電源を切ってくれた。良かった―! ところが、直後に次の駅から乗り込んで来た学生がドカッと腰かけて携帯電話でメールを始めたではないか。先のご婦人に注意した以上、不公平には出来ないので、同様に注意した。せざるを得ないではないか。この学生はブッとした表情で場所を変えた。良かったー! で、考えた。この調子だと次の駅でも、その次の駅でも注意し続けなければならない。その内、ブスッと刺されるかも知れないではないか。なんで自分が車掌の代理をしなければならないのだろう。参ったなー!と途中の駅で降りてしまった。これからは見て見ぬ振りの権兵衛を決め込むしかないなーと、もう諦めの心境だ。だから65歳になった現在は、優先座席から遠ざかることにしている。万一、優先座席で携帯電話による医療事故が発生したときの「優先座席では携帯電話の電源を切って頂くよう注意をし続けております」という電鉄会社の責任回避のエクスキューズの犠牲者になるのはもう御免だ。「優先座席で携帯電話の電源を切らないと本当にペースメーカに有害なのか」に関しては関係者がみんな口を閉ざしている。真実はどうなのか?
こういう問題を分析し、将来への備えをシステムとして確立するために最も重要なことは事実を知ると言うことである。特に、現状では子供たちの携帯電話からのインターネットアクセスに関しては事実を知る手掛かりが無い。「あなたはどんなサイトにアクセスしていますか?」というインタビューをしても母親経由では事実は母親自身が知らないのだから意味がない。学校で調査をすれば事実を答えないであろうし、駅前でビラを配ってインタビューをするのも手間ばかり掛って実効性が無い。その点、パソコンからのインターネットアクセスの場合は本人の了解のもとに、いわゆる視聴率調査が可能であるが、携帯電話の場合は「電気通信事業法」の第4条(秘密の保護)に:
電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。
2.「電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。
という規定があってワイヤレスキャリア各社は視聴率調査に後ろ向きである。
しかし、パソコンの視聴率調査を見れば明らかなとおり、利用者自身の了解のもとに個人としてではなく一個のデータとしてのアクセス調査は社会のコンセンサスを得ているのだ。住所がどこそこの何の誰兵衛という個人情報は調査にはそもそも必要が無い。何十万人の子供たちの内の何万人が一日に平均何十回どんなサイトにそれぞれアクセスしているかという、しかも利用者自身の了解を得た調査が社会の将来を見通すための研究には必須なのだ。
モバイル文化研究会には呼び掛けに応じて、日本コカコーラ、花王、資生堂などの広告主グループ、DeNA、ニフティ、NTTレゾナントなどのネット系、ネットレイティングやマクロミルなどの調査系に慶応大学の国領教授、一橋大の米倉教授、携帯電話を持つ子供の母親といして田澤由利さんと尾花紀子さんにご参加頂いた。すでにユーザー分科会の熱い議論が始まっている。
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