電子申告に挑戦した。ITやネットに関する講演を良く頼まれる身としては電子申告くらい自分で出来なくてはなるものかと思い立って始めたのだが、甘かった。実に甘かった。これほど親切めかして実は不親切なシステムを作れるものかと最後にはもう感心してしまった。マンマシン・インターフェースが分かり難く過ぎる。早く脱帽して止めなさいよ、え? あんた未だやってるの? と言われているような嫌な感じだった。
もちろん、税に関わるのだから慎重に正確を期すべきシステムの典型例であることは百も承知だ。だからこそ、8時半の始業時の15分前には区役所に着いて、待ち行列のトップに並んで住基カードや電子認証を取り、家電店にも行って他には使い出の無いICカードリーダーを2500円で購入した。国は電子申告に5000円の税控除を用意して普及を推進しているポーズを示すが、他には使い出のないICカードに(少なくとも自分はこれだけ永くパソコンに接していてICカードが必要となったのはこれが初めてだ)税控除額の半分を持って行かれることを利用者がどう感じているのかを考えたことがあるのだろうか。
もう一つ、電子申告に際して知り得た興味あることがある。申告ソフトは国税庁ホームページだけではなく、一般にネットで購入できる、たとえば某SI大手の1600円の市販ソフトもある。実は思い出すのも腹立たしいが、今回の悪戦苦闘の中で国税庁のホームページのソフトに絶望し、だからと言って断念するのも恥ずかしいので、1600円もするから多少は使い易く出来ているだろうと信じてこれをネットから購入してしまった。これがまた実に使い難く出来ているのだ。しかも、暗証番号は数字と英字を組み合わせ、しかも英字は大文字と小文字を組み合さないと受け付けられないし、@のような特殊文字は不可。一方、国税庁HPは数字と小文字の英字、特殊文字もOKと仕様が異なるのでソフトを変えると登録のし直しだ。ついでながら、役場にある端末は数字と大文字の英字しか打ち込めない。分かりますか? この不統一が。
結局はこの有料のソフトにも絶望して国税庁のHPに戻ったが、ここでまた1600円を浪費したので今回の電子申告による節税効果は900円まで残っていない。くっそうー! 僕は何をやっているのだろう。
参ったー!
私も60歳を過ぎて確かに口うるさくなっている。それは否定しない。このクレームも西岡さんは口うるさいからなーと半信半疑の向きも多いことだろう。が、今度の件では傍らで入力数字が間違わないようにずっとチェック作業をやってくれた女房が、「あなたが文句を言うのも今回ばかりは無理もない。あー、私も参ったー!」と深く賛同の意を呈してくれたものだ。何日も掛った悪戦苦闘の末に最終的に送信を終えたときは夕食も出来ずに8時前という激務に、数日間続いていた休肝日も忘れて(実は憶えていたが、ストレスをぶっ飛ばしたかったので)、「飲むかー!」。もう、参ったなー!
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