2009年2月25日水曜日

参ったー!

電子申告に挑戦した。ITやネットに関する講演を良く頼まれる身としては電子申告くらい自分で出来なくてはなるものかと思い立って始めたのだが、甘かった。実に甘かった。これほど親切めかして実は不親切なシステムを作れるものかと最後にはもう感心してしまった。マンマシン・インターフェースが分かり難く過ぎる。早く脱帽して止めなさいよ、え? あんた未だやってるの? と言われているような嫌な感じだった。
もちろん、税に関わるのだから慎重に正確を期すべきシステムの典型例であることは百も承知だ。だからこそ、8時半の始業時の15分前には区役所に着いて、待ち行列のトップに並んで住基カードや電子認証を取り、家電店にも行って他には使い出の無いICカードリーダーを2500円で購入した。国は電子申告に5000円の税控除を用意して普及を推進しているポーズを示すが、他には使い出のないICカードに(少なくとも自分はこれだけ永くパソコンに接していてICカードが必要となったのはこれが初めてだ)税控除額の半分を持って行かれることを利用者がどう感じているのかを考えたことがあるのだろうか。
もう一つ、電子申告に際して知り得た興味あることがある。申告ソフトは国税庁ホームページだけではなく、一般にネットで購入できる、たとえば某SI大手の1600円の市販ソフトもある。実は思い出すのも腹立たしいが、今回の悪戦苦闘の中で国税庁のホームページのソフトに絶望し、だからと言って断念するのも恥ずかしいので、1600円もするから多少は使い易く出来ているだろうと信じてこれをネットから購入してしまった。これがまた実に使い難く出来ているのだ。しかも、暗証番号は数字と英字を組み合わせ、しかも英字は大文字と小文字を組み合さないと受け付けられないし、@のような特殊文字は不可。一方、国税庁HPは数字と小文字の英字、特殊文字もOKと仕様が異なるのでソフトを変えると登録のし直しだ。ついでながら、役場にある端末は数字と大文字の英字しか打ち込めない。分かりますか? この不統一が。
結局はこの有料のソフトにも絶望して国税庁のHPに戻ったが、ここでまた1600円を浪費したので今回の電子申告による節税効果は900円まで残っていない。くっそうー! 僕は何をやっているのだろう。
参ったー!
私も60歳を過ぎて確かに口うるさくなっている。それは否定しない。このクレームも西岡さんは口うるさいからなーと半信半疑の向きも多いことだろう。が、今度の件では傍らで入力数字が間違わないようにずっとチェック作業をやってくれた女房が、「あなたが文句を言うのも今回ばかりは無理もない。あー、私も参ったー!」と深く賛同の意を呈してくれたものだ。何日も掛った悪戦苦闘の末に最終的に送信を終えたときは夕食も出来ずに8時前という激務に、数日間続いていた休肝日も忘れて(実は憶えていたが、ストレスをぶっ飛ばしたかったので)、「飲むかー!」。もう、参ったなー!

2008年12月15日月曜日

7期が修了しました

丸の内「西岡塾」の7期が13、14日両日、横浜のオンワード総合研究所における合宿での卒塾論文発表会で修了した。
その1日目の13日(土)には塾生たちのグループによる卒論作成の仕上げの討議の合間を縫って、「ミドル如何にいくべきか」をテーマにパネルディスカッションを行い、その後、懇親パーティをひらいた。
パネルディスカッションではゲストに松井証券社長、渡辺東海バネ工業社長、樋口天彦産業社長、松田ユニゾンキャピタル・パートナー(元みずほ証券副社長)や過去の卒塾生たちが加わり、23名の卒塾生が熱い議論を展開した。
「ミドルは会社を動かせるのか」、「経営者に出来ないミドルの役割」、「出世は目的か手段か?」などなど塾生たちのプレゼンにフロワ―から辛辣な質問、反論、温かいアドバイスが飛んだ。2時間の予定が3時間弱に及び、そのあと行われた懇親会までゲストを交えて熱い議論が続いた。
翌14日は朝から卒塾のための卒論発表会。審査委員には塾長の私に加え、一橋大ICSの竹内弘高学科長、小林三郎同客員教授(ホンダでエアバッグ開発に成功した元経企室長)、渡辺社長、松田副塾長が加わった。4、5人ずつに分かれた5グループによるプレゼンテーションが行われたが、西岡塾では知識ではなく感性の鍛錬に重きを置かれるので、日頃から「プレゼンでは姿勢、表情、目線、声の大きさや高さ、話す速度、間の取り方にも注意」という教育もしてきたが、昨日のみんなのプレゼンは素晴らしかった。
ここでも審査委員や塾生を送り込む各社のゲストが真剣な質疑、アドバイスを展開し充実をした発表会を終えることが出来た。関与頂いた諸兄に深謝します。
その後のパーティでは各自が思いのたけの感想や将来の抱負を述べ最後は肩を抱き合って別れを惜しんだ。塾長としてもみんなの寄せ書きを贈られ、ジーンと目に涙がにじんだ。こういう感激を毎期、毎期味わえるとは、毎週金曜日に頑張ってきて本当に良かったと思う。
塾生のみなさん、一緒に頑張ってこられて良かったね。来期が始まっても卒塾生としていつでも塾に遊びに来て下さい。ありがとう。

2008年12月5日金曜日

東海バネ工業のポーター賞受賞記念講演会を開きました

西岡塾の講師をして頂いている渡辺良機社長がついに快挙を達成しました。
12月4日にホテル・オークラで開かれた授賞式では渡辺社長がハーバード大学教授で戦略論の第一人者であるマイケル・E・ポーターから「独自性のある優れた戦略を実行して高い収益性を達成・維持している」と栄えある賞を受賞されたのです。詳細は以下のポーター賞HPを参照してください。
http://www.porterprize.org/porterprize.html
C042160.JPG(ポーターから受賞する渡辺社長の晴れ姿です)

そこで、西岡塾では同日の夕刻から「東海バネ工業のポーター賞受賞記念講演会」を六本木ミッドタウンで開催しました。
まず、ポーター賞の記念品である“out of box”のflagを持って入場する渡辺社長ご夫妻を拍手で迎えたあと、西岡から趣旨説明、渡辺社長ご挨拶、JVC-ケンウッド河原CEOの乾杯と続いて約一時間のお祝いパーティーのあと、いよいよ
一橋大学ICS藤川先生の「東海バネのケーススタディ」に進み、現役塾生だけでなく卒塾生や飛び入りの人たちも入り乱れて熱い議論が展開されました。その議論に渡辺社長が生で答えるという、藤川先生に言わせると「本人を交えて会社の戦略を研究する最も贅沢なケーススタディ」を堪能しました。
その後は西岡が引き継ぎ、常盤 花王元社長、河原JVC-K会長というこれまた贅沢なパネリストで「東海バネの強さの秘密を考える」というパネルをやりました。理論的、学問的な戦略解剖に渡辺社長の人間臭い「部下への思い」が絡んで大変興味深いパネルとなりました。参加者のみなさんの熱いパッションが会場を盛り上げました。
お忙しい中駆け付けて頂いた常盤さん、河原さんに心から御礼を申し上げます。


PC042563.JPG
(前列椅子に腰かけて人たちが、右から藤川、河原、常盤、渡辺ご夫妻、西岡)

2008年11月5日水曜日

東海バネ工業がマイケル・ポーター賞受賞

ポ―ター賞は、独自性がある優れた戦略を実行し、その結果として高い収益性を達成・維持している企業を表彰するため、2001年7月に創設され、今年で第八回目を迎えます。賞の名前は競争戦略論の第一人者であるハーバード大学のマイケル・E・ポーター教授に由来しています。(http://www.porterprize.org/)

とマイケル・ポーター賞の公式HPが紹介するこの大きな賞に東海バネの受賞が決まった。
渡辺良機社長、社員のみなさま、大変おめでとうございます。

東海バネさんのことについて講演やブログなど折にふれてお伝えしてきた。
たとえば、昨年の日経ビジネスオンライン(NBonline)一周年記念行事での花王元会長の常盤文克さんとの対談でも新日本型経営としてご紹介している。
[社員が燃える新日本的経営(その1) (NBonline「経営新世紀」 2007/06/29)]

その常盤さんも東海バネにご一緒に視察に言って頂いたし、東大の伊藤元重教授(経済学)、元東大教授で現在は丸の内ブランド塾を主宰しておられる片平秀貴先生(ブランド戦略)、神戸大の金井壽宏先生(経営学)、一橋大の藤川佳則 准教授(国際企業戦略)もご案内してみなさんが高くご評価頂いたものだ。自分の家内などは一緒に工場見学をさせて頂いた直後に感想を聞いたら、「職人さんたちの眼が光っておられますね」と答えた。
この会社の「多品種微量生産」に拘るビジネスモデルが優れていることは上の先生方をはじめ多くの識者が高く評価されていることである。そこで、ここでは敢えてその点には触れず一言だけ、「渡辺良機社長の人間力」に触れてみたい。
大阪市の「IT西岡塾」で関与させて頂いて、その成果としてIT百選最優秀賞を受賞されたことも好例だが、渡辺社長の特徴は一つの成果をより大きな成果へどんどんステップアップされることであろう。それは渡辺良機さんの人間力がなせる技なのだ。証拠がある。厳しい労働に明け暮れる職人さんたちの眼が輝いていることだ。社長の人間力が社員の表情に正直に現れる。

2008年10月2日木曜日

夫婦喧嘩でもしたの?

先日、ある大企業にベンチャーを連れて行った。お2人がお相手をして頂いた。表題はその時のお一人への率直な感想である。
ベンチャーが一生懸命に、最初の下らないビデオでの紹介はさておいて、全体としてなかなか上出来のプレゼンを行った。
ところが、難儀なことには担当責任者と思われる人が全然興味を示さない。
プレゼンを聞く態度が初めから後ろ向きで、終始、苦虫を噛み潰したような顔をしているのだ。髭のソリ後も涼やかな清潔そうな男なのだが惜しいことに表情が暗い。夫婦喧嘩でもしてきたような表情である。
余りのことに、プレゼンが終わってから、「如何ですか?」と顔を正面から見据えて聞いてみたところ、「プレゼンがよく分からなかったのだが、つまりxxxとyyyという二つの提案ですか?」という的外れの答えというか疑問が返ってきた。こりゃあんまりだ。とくにyyyなど触れても居ない。懸命にやっているベンチャーが可哀想ではないか。
丸の内「西岡塾」に引き立てて塾生として叩き直してやりたいと思った。

みなさん、顔は持って生まれてきたものだから代えられない。しかし、表情は自分で自在に変えられるのですよ。そして人に与える印象は表情が決め手なのです。悲しそうな表情、興味の無さそうな表情、ムカっと怒っている表情、眠たそうな表情、活き活きとした表情、嬉しそうな表情、、、、
こういう表情は自分で制御できるのだ。上司から見たら、興味の無さそうな表情をしている部下に仕事を与える気がしないよ。そりゃ有難い。仕事など欲しくないという人はこのブログを読む必要はない。部下から見たら、いつもムカっと怒っている表情、眠たそうな表情の上司の下でなど働きたくもないではないか。
この重要な表情が自分次第だと言うことをもう一度思い返して下さい。そして、活き活きとした表情を意識して作りましょう。

2008年9月29日月曜日

標準化はやはり重要ですね-2

さて、前回の問題を考えてくれましたか?
ダイナースカードに問い合わせました。電話に出た担当者に先の事情を説明すると、「その質問は時々頂きます。ちょっとお待ち下さい」と間隔があって、ECサイトによっても対応が変わりますので今からご説明します方法をやって見て頂けませんか?ということであった。勿論了解して、説明を聞きながらその通りやってみた。
2ケタ分足らないので、
① 0を14ケタの前に1ケタ、後に1ケタ入れて下さい: → 失敗
② では、0を中6桁の前に1ケタ、後に1ケタ入れて下さい:
つまり、1234 0567 8900 3456: → 失敗
そうですか、ちょっとお待ち下さい。沈黙。
③ 0を中6ケタの前に2ケタ入れて下さい: → 失敗
④ 0を中6ケタの後に2ケタ入れてみて下さい: → 失敗
もう一度お待ち下さい。沈黙。
⑤ 前詰めで14ケタ入れて、後の2ケタを無視して下さい: → 成功

そう、成功しました。実は最も原始的な方法だったんです。なるほどー!
電話に出た担当者は「本件を上に報告しておきます」と丁寧に謝った。彼女に責任はないので礼を言って電話を切ったが、ダイナースカードはなんで14ケタに固執し続けているのかなー?
やっぱり世の中の標準に合わせるのは大切ですよね!

2008年9月25日木曜日

標準化はやはり重要ですね

使っているクレジット会社にダイナースクラブを加えたのですが、ダイナースは会員番号が14ケタなんですね。普通は4ケタx4の16ケタでしょう。
それで問題が発生しました。インターネットで決済をする時に14ケタでは受け付けてもらえないのですよ。当然ながら。
たとえば、普通のクレジット会社の会員番号は16ケタですから
1234 5678 9012 3456
だとするでしょう。これがダイナースはたとえば、
1234 567890 3456
のように4ケタ、6桁、4ケタの計14桁なんですよ。
ECサイトでクレジット決済をしようとすると、
    -    -    -    
と4ケタずつ16ケタの番号入力を求めて来ますよね。
さて、ダイナースのカードを持ってハタと思案をしました。
どうしたらいいのでしょう?
貴方ならどうするか、教えて下さい。
僕が調べ上げた答えは次回に譲ります。

2008年9月17日水曜日

モバイル文化研究会

この度、私が呼び掛け人になってモバイル文化研究会を立ち上げた。会の趣旨は携帯電話を中心とするモバイル文化のグランドデザインを作るための研究をしようと言うものである。

携帯電話はすでに無くてはならない道具になっている。電話、メールはもとよりインターネットへのアクセスはPCからよりも携帯電話からの方が急速に普及している。当初はあんな小さな画面では面白くないと信じられていたのに、ワンセグでTVが見られるようになり、漫画や動画までもが携帯電話で楽しまれている。しかし、電車の改札や飛行機への予約からチェックインまでが携帯電話一つでOKというような社会になると、この後どうなるの? 社会的な抵抗力や判断力が未発達な子供たちに、有害な情報やサービスがいとも簡単に忍び寄るのを保護者は認識も出来ない状態を社会は放置していていいのだろうか?
という懸念がどんどん顕在化している。一体、子供たちは有害と思しきサイトにどの程度アクセスしているのだろう? どんな危険が待ち受けているのか?

この他にも、携帯電話にまつわる頭痛の種は尽きない。先日も、電車の優先座席に掛けていたら隣の中年の婦人が携帯でメールをしている。窓に張ってある注意書きを指差しながら「電源は切りましょう」と声を掛けたら、「あ、済みません」と言って素直に電源を切ってくれた。良かった―! ところが、直後に次の駅から乗り込んで来た学生がドカッと腰かけて携帯電話でメールを始めたではないか。先のご婦人に注意した以上、不公平には出来ないので、同様に注意した。せざるを得ないではないか。この学生はブッとした表情で場所を変えた。良かったー! で、考えた。この調子だと次の駅でも、その次の駅でも注意し続けなければならない。その内、ブスッと刺されるかも知れないではないか。なんで自分が車掌の代理をしなければならないのだろう。参ったなー!と途中の駅で降りてしまった。これからは見て見ぬ振りの権兵衛を決め込むしかないなーと、もう諦めの心境だ。だから65歳になった現在は、優先座席から遠ざかることにしている。万一、優先座席で携帯電話による医療事故が発生したときの「優先座席では携帯電話の電源を切って頂くよう注意をし続けております」という電鉄会社の責任回避のエクスキューズの犠牲者になるのはもう御免だ。「優先座席で携帯電話の電源を切らないと本当にペースメーカに有害なのか」に関しては関係者がみんな口を閉ざしている。真実はどうなのか?

こういう問題を分析し、将来への備えをシステムとして確立するために最も重要なことは事実を知ると言うことである。特に、現状では子供たちの携帯電話からのインターネットアクセスに関しては事実を知る手掛かりが無い。「あなたはどんなサイトにアクセスしていますか?」というインタビューをしても母親経由では事実は母親自身が知らないのだから意味がない。学校で調査をすれば事実を答えないであろうし、駅前でビラを配ってインタビューをするのも手間ばかり掛って実効性が無い。その点、パソコンからのインターネットアクセスの場合は本人の了解のもとに、いわゆる視聴率調査が可能であるが、携帯電話の場合は「電気通信事業法」の第4条(秘密の保護)に:
電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。
2.「電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。
という規定があってワイヤレスキャリア各社は視聴率調査に後ろ向きである。
しかし、パソコンの視聴率調査を見れば明らかなとおり、利用者自身の了解のもとに個人としてではなく一個のデータとしてのアクセス調査は社会のコンセンサスを得ているのだ。住所がどこそこの何の誰兵衛という個人情報は調査にはそもそも必要が無い。何十万人の子供たちの内の何万人が一日に平均何十回どんなサイトにそれぞれアクセスしているかという、しかも利用者自身の了解を得た調査が社会の将来を見通すための研究には必須なのだ。

モバイル文化研究会には呼び掛けに応じて、日本コカコーラ、花王、資生堂などの広告主グループ、DeNA、ニフティ、NTTレゾナントなどのネット系、ネットレイティングやマクロミルなどの調査系に慶応大学の国領教授、一橋大の米倉教授、携帯電話を持つ子供の母親といして田澤由利さんと尾花紀子さんにご参加頂いた。すでにユーザー分科会の熱い議論が始まっている。

2008年8月1日金曜日

公衆マナー

定められた公衆マナーが全然守られていない2つの例について考える。
その1.電車の「優先座席では携帯電話の電源をお切り下さい」とアナウンスが繰り返されるし、窓には電源OFFのマークが張られている。オマケに吊皮がオレンジに塗られて電源OFFのマークがあるが、優先席に座る大多数の乗客は全く悪気もなく、携帯電話を使い続けている。この様子を見ていると「優先座席では携帯電話の電源をお切り下さい」という警告は何事が起った時の電鉄会社のエクスキューズに過ぎないことがハッキリする。本当に守らなければならないルールなら、一週間くらい連日乗務員を巡回させて、「優先座席では携帯電話の電源をお切り下さい」と呼び掛けるべきだろう。及び腰の電鉄会社とそれを馬鹿にする乗客の構図は、それを毎日目にしている小学生や中学生に「公衆マナーは守らなくてもいいよ」と毎日教育しているようなものではないだろうか。長い目で見れば実に悪い教育である。
その2.私は通勤に京王井の頭線と都営銀座線を使っている。銀座線の渋谷駅の朝の満員時には3列縦隊に整列して乗車する「整列乗車」が指導され、よく守られている。次の次の列車を待つ乗客たちはその右に3列で並ぶ。狭い構内を有効、安全に使う当然の処置であるが、これが守られるのは乗客たちの自発的なマナーの良さだけではない。駅員たちが繰り返し「整列乗車」をアナウンスし、体を張って割り込み乗車を防ぐなどの日々の努力が乗客のマナーを育ててきたのだ。
一方、井の頭線渋谷駅の帰宅時は同様に狭い構内にこっちは2列の待ち行列が並ぶ。足元には3列の表示があるし、「3列に並んでお待ちください」と言うアナウンスもあるが、みんなが2列なので後ろから来た人が3列目を作るとズルになるので、止むなくみんなが2列に並ぶ。帰宅時は2列の長い列が反対側の方にも伸び危険ですらある。しかし、ホームで整理に当たる駅員たちは見て見ぬふりを決め込んでいる。帽子に金色の帯が付いている助役さんも知らぬ風である。だから、マナーが一向に改まらない。
これは乗客のせいではない。何故なら同じ渋谷で乗り換える乗客たちが銀座線ではキッチリとルールを守っているのだ。

2008年7月31日木曜日

グラスワイン一杯3万円

赤坂の大評判のパン屋さんの階上にあるカフェというのかレストランなのか、とにかく、あのロマネコンティを一杯3万円で飲ませると言う。
一杯3万円じゃなかなか売れなくれ、飲み残しが大問題じゃないですか?と野暮な質問をすると、「大体1週間で一本開きますから」と平然としたものだ。技術的には1年間は質が低下しない工夫が出来ていると胸を張る。
ロマネコンティと言うと面白い経験がある。インテル時代に上場で大金持ちになった人が「西岡さん、ロマネコンティを飲みにおいで」とオフィスに誘って頂いたので、高校の先輩の有名N教授と二人で飲みに行った。
素晴らしいオフィスで彼が振る舞ってくれたのがロマネコンティのプレミアム物(ワインの分からぬ当方は年代も憶えていない)とそれよりはちょっと若いのとオーパスワンの3本でビンテージや詳細は何にも憶えていないが、オークションで競り落とした値段が計200万円だったそうな。
ワインの分からぬ僕でも「とにかく、美味しい」ことは分かりました。ところがN教授は大のワイン通で、「旨い! 西岡君、君はワインが分からんと言ってたね。これ勿体ないから飲むな」だって。一年でも先輩は絶対だから「君は飲まずに俺に飲ませろ」って言うんですよ。貴方ならどうします?
もちろん、僕は同じだけ楽しみました。

ちゃりんこににけつ?

「ちゃんりんこに2ケツ」していて転んで大ケガをしたと可愛い女子学生が言っていた。「ちゃんりんこに2ケツ」とは、つまり自転車に二人乗りと言う意味である。
昔、シャープの研究所長として新設研究所の設計図の説明を受けていた時、建設会社の人から「女性トイレは4ケツにしようと思いますが、5ケツ要りますか?」と言われたことがある。「5ケツ? 表現が悪いねー!」と想像力を働かせて驚いたら、「ケツは穴です。お尻のケツではありません」と教えられたことがある。そりゃそうだろうよ。
しかし、女子高生の2ケツは自転車に乗っている二つのお尻のことでしょうね。
もう相当以前からTシャツやパンツといった衣類は当然ながら、日本語のユニセックス化が進んでいる。
僕が始めて経験したのは女子高に通う従妹の体育会に家族で行った時だから40年も前である。女子高生たちが「おーい、お前ー」と呼び合っているのを聞いてゾッとしたのが最初の経験だ。
考えてみれば日本語のように男性語と女性語の区別のある言語は世界でも少ないだろう。アメリカでは美しい女性が平然とビックマックにかぶりつきながらguysを連発しているが、日本の女性たちにも遅まきながら超スピードで後を追いかけている人たちがいる。満員電車の化粧は言い尽くされたが、しかし、言い尽しても言い尽くしてもやっぱり「馬鹿!」と心の中で叫んでいるのだが、一方、綺麗に化粧を済ませた女性が朝の満員電車でサンドイッチやおにぎりに文字通りカブリ付いている。

2008年7月14日月曜日

こんなのアンフェア-だよ!

最近はネットからいろいろ簡単に購入できたり予約できたりと便利なことはこの上もない。しかし、一旦申し込んだ予約をキャンセルする仕組みが組み込まれていないサイトがあって困り果てることがある。こんなのはフェアじゃないですね。
おびき寄せて申し込むのはネットで便利にしておいてキャンセルしようにも仕組みを組み込まないのは意図的な悪意さえも感じられますね。
先日も、海外のレッキとした航空会社のサイトからのフライトの予約に際して、キャンセルポリシ-も確認して予約をしたのだが、その翌日、いろいろ検討の結果、別ルートがベターだと分かってキャンセルをしようとするとネットでは方法がない。
サービス窓口の電話番号だけは書いてあるので電話をしても、ずっと話し中で手の施しようもない。キャンセル成立が遅れるとクレジットで引かれたお金が返って来なくなるのだから電話がずっと話し中なのは悪意のある作戦ではないかとさえ思ってしまう。サイトをいろいろ調べて「All about us」をクリックし、「Contact us」から出てきたContact Formにキャンセル情報を書き込んで送信したところ翌日になって次のような返信が届いた:
Dear All,
Thank you for contacting us.
We would like to inform you that, indeed, there is no way to amend or cancel a booking through our website, but only through our Call Center department which operates daily 0700-2300 local time or by mail at this address.
このように申し込みはネットで簡単だがキャンセルを難しく仕組んであることを自分たちで認めているではないか。しかも電話はやっぱりずっと話し中だった。
最終的には返信メールアドレスにメールして、やっとのことでキャンセルは出来たのだがレッキとした航空会社のHPでもこの様である。意図的にキャンセルを不便にしてあると考えざるを得ない。
会員申し込みでもそうですよ。軽い気持ちで一旦会員になると退会するのがとっても難しいサイトは山とある。携帯電話のサイトもその典型が多いですね。
こういうことも消費者が声を出して見張らないとダメですね。

2008年6月27日金曜日

e-womanの佐々木かをりさんの対談に

西岡の昔の仲間が登場しました。田澤由利さんは僕がシャープのコンピュータ事業部長だったときにパソコンの企画部員として大活躍してくれた人です。
その後、結婚して北海道の北見に定住し、社員10数名と130名のテレワーカーを組織するベンチャーの社長として大活躍しています。
佐々木かをりさんはe-womanとユニカル・インターナショナルの社長を務めるかたわらでフジテレビの「とくダネ!」のコメンテーターとしても活躍されていますので、みなさんよくご存じだと思います。
佐々木さんが毎年夏に開催される国際女性ビジネス会議では第2回目に基調講演をやらせて頂いたり、田澤さんと同じ対談にも登場したことがあります。
今回の対談では起業家として母として妻として獅子奮迅の大活躍をされる田澤由利さんのビジネス・パーソンとしてのHistoryに佐々木さんがきりこみます。お二人の出会いや田澤さんのキャリア・デベロップメントの中で西岡が何度も登場させてもらっています。
こっぱずかしいことですが、嬉しいことです。ご紹介します。
http://www.ewoman.co.jp/winwin/121ty_second/index.html

2008年6月11日水曜日

香港事情

先週は1泊で香港に出張した。6月中旬の今、気温が30度を超える。しかし、寒い。街中はもちろん湿気も高くて暑いのだが、この国は至るところ冷房が効き過ぎている。まず、空港から乗ったエアポートエクスプレスの座席では足元からさっと襲い掛かる冷気に思わず「寒―!」と手に持っていた上着を膝に掛けた。街へ着くと街は暑い、なにしろ30度を超えているのだから。なのに、ホテルもショッピング街も、建物の中に入ると、とにかく寒い。ミーティングルームで2時間会議をしたがメッチャ寒かった。
そう言えば、インテル時代にアメリカ本社に出張で行くと冷房がキンキンに効いていて本当に寒かったものだ。そんな部屋で終日会議をするわけだから日本人にはたまったもんじゃないが、あちらの人たちは平気で、半袖のポロシャツで寒そうな顔一つしないのだ。
しかし、そんな風に寒さに強いのは自慢にならない。冷房による寒さに強いなんて愚の骨頂である。適度を超えた冷し過ぎを止めようとの声が何故大きくならないのだろう。
しかし、香港のエアポートエクスプレスは清潔で便利だ。成田空港からのJRエクスプレスは恥ずかしいですね。

2008年4月14日月曜日

電話のマナーを二つ

みなさん、携帯電話でお話するときは、もうちょっと声を落して、多少はひそひそ気味に喋りませんか?
そもそも携帯電話はいろいろの理由で相手の声が聞きにくいことが多い。
我々の声だけを拾うべきマイクが、周囲の雑音も拾ってスピーカーから聞こえるので、肝心の相手の声が相対的に聞こえにくいという技術的な問題もある。むかし、雑踏で公衆電話を掛けるときには受話器の口元を手でふさいで周辺の雑音を拾わないようにしていましたね。受話器を当てない耳を塞ぐよりもずっと効果的でしたね。あの現象です。小さな携帯電話ではマイクが遮蔽出来ずに余計に雑音を拾って自分の耳に入ってしまうのです。

そして、相手の声が聞こえにくいと我々はついつい自分が大きな声で話すことになります。街中で携帯電話にペコペコ頭を下げながら声高に言い訳をいったり、部下を叱ったり、ゲラゲラ笑いながら頭を掻いたり、無作法だし、迷惑だし、恥ずかしいですねー! みんなでちょっと気を付けませんか。

もう一つは携帯電話に限らない電話の基本的なマナーの話です。
電話で話していて、要件が終わると直ちにガチャっと電話を切る人が多いですね。失礼ですねー!これは。
単に失礼なだけではなくて、要件が終わろうとする瞬間に「あっ、そうそう、もう一つお話がー、、、」と言いだしたとたんに相手は気付かずに「ガチャン」と切ってしまうことがあります。
このブログを読んで頂いている方々もちょっと振り返って見てください。
「だって、話が終わったら電話を切るのは当然」と思いますか?
私は電話を切るにもマナーがあると思います。
小学生時代だったと思いますが、私の家に初めて電話が付いたとき、「相手の人が電話を切ってガチャンという音を聞いてから自分も受話器を置きなさい。それが電話を使うときの作法です」と母親に教えられました。それ以来60年間、そうしています。いまでも相手が電話を切るのを聞いてからこちらも電話を切るようにしています。
もっとも私もすでに65歳、ほとんどの相手が年下になります。そして多くの人は敬意を払って私が切るまで電話の向こうで待って頂いているようです。ありがとうございます。だから滅多にはありませんが、偶にはあります。いつもそうする人は決まっているようです。人柄が表れますよね。

2008年4月11日金曜日

アレキサンダー大王とEngineering

一昨夜、BSのHistory Channelで"Engineering an Empire”というテレビを偶然見ていてびっくりした。まず紀元前に大帝国を作ったアレキサンダー大王を語る題目に“Engineering”という言葉があるのに大いなる興味をもってしまったのだ。当方もDr, of Engineeringつまり工学博士の端くれなので「アレキサンダーとEngineering」という取り合わせが気になったというか、引っ掛かったのである。
高校時代に世界史を選択しなかった自分にとってアレキサンダー大王に関する知識は
① マケドニアから発してギリシャを征服した
② ギリシア軍を率いて東方に遠征し、ペルシャ、エジプトを征服後インドにまで遠征して途中急逝した
というまったく興味の湧かない史実のみである。
ところが、このTVをみてびっくりした:
アレキサンダー軍があんなに強かったのは「Engineeringを活用したためだ」ということである。まず、武器だ。父親フィリッポス2世も、敵軍の何倍も長い槍を持たせた歩兵部隊を四角い軍団にまとめて敵軍目指して押し出したり、手動が当たり前の弓矢を機械式に変えて飛距離と殺傷力を飛躍的に高めて当時の世界最強軍を作り上げ、ギリシャ制服を果たしたらしいが、父を継承したアレキサンダーはそれをもっともっと徹底したという。アレキサンダー大王行く所は常にEngineering Groupつまり技術団が付き添い、勝つための新しい武器、勝つための補助手段を考案して実行していったという。
紀元前300年代にである。たとえば、強大な海軍を擁するペルシャ軍の小島上の要衝(TVで島の名前を言ったが忘れてしまった)を攻めるとき、海に出ると強大な海軍に攻められるので、技術団は島に長さ1km幅60mの道を築き、要塞から矢を射かけるペルシャ軍に対して、「動く弓矢台」とでも言うべき6階建てくらいの移動式要塞を作り、小島の要塞に上から矢を射かけて敵をせん滅したとういう。
我々技術者は、たとえば、会社の新規事業を実現するために新製品や新素材や新製法を考案する。到達すべき目標に対して現状を分析し、問題点を明確にし、前提条件を明確にし、競争相手の実情を知り、それを超える技術や方法を考案し、試作し、実験し、問題点を改善し続ける。アレキサンダー大王の技術団もほとんど同じ思考方法を駆使したのだろう。しつこく言うが、紀元前300年代にである。大変感銘深い番組であった。

関連して印象に残った話が二つある。
① フィリッポス2世もアレキサンダー大王も征服したギリシャを蹂躙せず、むしろ、ギリシャ文明を敬い自分たちがその文化に同化しようとしたという。征服したペルシャでも部下とペルシャ人の集団結婚を奨励し、ペルシャ風礼式を取り入れ、代官にも現地有力者を任命したという、この包容力が東西融合のヘレニズム文化を産んだ。
② こうしてEngineeringが重要な意味をもったヘレニズム文化が勃興した当時、エジプトでは、すでに蒸気機関の原型が発明されていたという。にも拘らず、蒸気機関の実用化が18世紀の産業革命までまたなければならなかった理由は、当時のエジプトでは人件費が極端に安く、幾らでも人力を使えば良かったために蒸気機関の需要が見つからなかったからと言う。必要は発明の母なり。
面白い番組でした。

2008年4月8日火曜日

胸を張って歩こう

先日、㈱コムチュアの向浩一社長から聞きました。
中国に出張した時、仕事仲間の中国の人が、「韓国人と日本人は遠くで見ていてもすぐに見分けが出来る」と言うのだそうです。
「胸を張って歩いているのが韓国人、うつむき加減に下を向いて歩いているのは日本人だ」と言うのが見分け方のノウハウで、百発百中ですと胸を張ったという。
この話を聞いて「そんなバカなー」と思いましたか?
「そうかも知れないなー」と思った人が多いのではないでしょうか。
その方が問題かもしれませんね。しかも、日本人が自信を失くしているという事実だけではなく、中国の人たちに日本人が自信を失っていると見られているという事実はもっと深刻な問題です。
経済競争力の中で交渉力は重大なファクターですが、「最初から自信なし」と見られていては交渉になりません。
みなさん、胸を張って歩きましょう。
そのために普段からトボトボと下を向いて歩かないで、左右の肩甲骨を引き合って、胸を張って歩きましょう。

2008年3月15日土曜日

二代目経営者ガンバレー!

二代目経営者が頑張る大阪府下の中小企業を見せてもらった。第一プラスティック㈱の松田雄一郎社長、㈱中田製作所の中田寛社長、㈱岩本モデル製作所の岩本 明久専務の3人の経営者はともに二代目である。それぞれの会社の詳細はそのHPに譲るが、大企業の係長や課長が組織の一つの歯車として、上から落ちてくる 仕事を無難にこなすだけに終始していたり、自分がやる気でも上も下も付いて来ないでストレスと虚無感に苛まれたりと悩みの多いミドルたちと違って、この3 人はともに意気軒昂で話していても気持ちがいい。三人とも父親が創業した家業の後を継ぎ順調に発展させている。人間の生き方を考えさせられる貴重な体験で あった。今回はその訪問記である。
① まず、松田雄一郎君。中学生のときに父親から「会社をやるかー?」と言われて決心した経営者の道を「経営者になるために生れてきたんだ」と26歳で社長を 引き継ぎ、今は32歳。工場を案内しながらプラスティック加工の工程を詳細に説明する眼は自信に溢れている。やる気満々の若大将には技術知識の習得も軽々 とこなせるのであろう。32歳で「本当にモノづくりの好きな若者に活躍の場を提供する」と言いきって見せる。頼もしいものだ。ご両親も会社の経営をすっか り松田君に託し、夫婦で気候の良いところで好きなゴルフ三昧とか。これも大会社の重役にはできないことですね。
② 次は中田寛君。中田製作所はアルミ加工を専門にする会社で、大学から銀行に進んだ中田君をお母さんが二代目社長への就任を懇願され、落とされたと笑う。入 社した息子に父親は厳しかったが、業界トップレベルの超精密加工50μ→10μ→8μと技術者の部下2人と挑戦し続け、業界に中田製作所の名を確立させ、 二代目社長に就任したという。他社に類を見ない高い技術力は会社の信頼を上げ、超精密技術を要しない分野での業績も向上したという。ここの工場を見て回る と他所との違いが歴然としている。職人たちの目が光っているのだ。良い仕事をしているのはその眼に力があるのだ。
③ 岩本明久君はモデル製作所の二代目だ。家電製品などの商品企画や開発の前段階で必要になるモデルをNC技術を駆使して製作するのが仕事だが、この会社の面 白いのは、まず岩本君自身が若い時に悪ガキ(元ヤン)だったこと。だからこの会社には元ヤンが何人もいるという。工場見学のときにもアゴヒゲを蓄えた喧嘩 の強そうな職人を結構見た。そして、元ヤンたちは今はみんな真面目で良く仕事をするという。一つのモデル作りを分業せず、最初から最後まで一人に任せる仕 事の仕組みがいい。任された若い職人はみんなが一生懸命で、ここでも職人が良い眼をしていた。ヤンキーと言われる若者たちは実は真面目だから自分をごまか せずにヤンキーになることが多い。だから根は真面目なのだ。心から信頼できる元ヤンの岩本を大将にして彼らは懸命に社会に役に立とうとして頑張っている。
その内にチャンスを見つけて彼らを西岡塾に呼んできます。

喫煙タクシーの導入を提案します

東京のタクシーが全面禁煙なんて、とっても信じられなかった嬉しいことが実現して来週には早1か月になる。しかし、今でも多くのタクシーはタバコ臭い。全 車にイオン洗浄が義務付けられたとは聞くが、これまで喫煙自由であった車両に染み着いた悪臭は簡単には除去出来ないし、運転手が客待ちの間に車外に出てタ バコを吸った直後の呼気やタバコの匂いの染みついた洋服があの悪臭の源のようだ。
先日も乗ったタクシーがもの凄くタバコ臭いので、「この車はタバコ臭いねー、禁煙のはずじゃないの」と聞くと、「東京のタクシーは全部禁煙ですよ。僕がさっき車外で吸ったばかりだから、それで臭うのですかねー」と澄ましたもんだった。

これまで禁煙タクシー専用乗り場を置いていた聖路加病院が12月から「禁煙タクシー以外乗り入れ禁止」の措置をして利用者に喜ばれていたのに、1月7日か らは事実上すべてのタクシーが乗り入れ自由になり、利用者はタバコの悪臭に悩まされているという。全面禁煙のために却ってタバコの害を受けるという皮肉な 事態に病院としても頭の痛めているという。

そこでこの際、思い切って「喫煙タクシーの導入」は如何だろう。「東京のタクシーは禁煙を原則とする」というルールのもとに「喫煙タクシー」も一定のルー ルのもとに許可する。ルールとは車に「喫煙車」と目立つようにサインを付ける。タクシーの中でタバコを吸いたい人はこの喫煙タクシーを選べばよい。運転手 も客待ちのときにはタバコを吸えばよい。自分は喫煙者だが車内のタバコ臭さは嫌いと言う人は普通のタクシーに乗ればよい。喫煙のドライバーは喫煙タクシー に乗務すればよい。その代り、普通のタクシーは車内の空気清浄化を徹底する。如何だろう。

飛行機や新幹線やレストランなど多くの人がいる場所では煙は漂っていくし、タバコの煙の粒子は極々小さいので煙害を完全にシャットアウトできる分煙システ ムはなかなか実現できない。加害者と被害者を足して2で割る分煙は非喫煙者を保護できないから禁煙が広がるのは当然なのだ。
しかし、タクシーは原則的に個室である。「喫煙タクシー」と大きく明記して利用者もドライバーも納得の上で利用するなら誰も迷惑はしないはずだ。

「禁煙とは喫煙を禁止する」ことではない。「禁煙とは非喫煙者をタバコの害から守る」ことである。喫煙者がまだまだ多い社会で、「本当の禁煙」を実効的に実現するために、思い切って禁煙車を導入することには一考の余地があるはずだ。
(PS)ルドさんと言うイタリア人のお友達とよく一緒に蕎麦ランチを楽しんでいる。「喫煙タクシーの導入」は蕎麦を食べながら議論をしていたときにルドが言い出した考えである。ルド、ありがとう。

オランダ、ベルギー報告-2

(オランダの続き)
④ オランダはご存知のように運河の国です。至る所に運河が流れていますが、河淵には柵がありません。もし日本でこんなところに子供や老人が落ちるようなこと があれば管理責任を問われて大問題になるはずで、だからどんな川にも厳重に何らかの防御柵が張り巡らされて、しかも警告標識が一杯です。が,こちらでは河 淵に柵がありません。中には河淵が駐車場に利用されているところも多く、ちょっと運転を誤ると河に転落という所にも柵は一切ありません。「河に落ちないよ う厳重注意!」などの標識も一切ありません。すべて自己責任が徹底しているのですね。そのかわり街の風景には情緒があり、中には中世の雰囲気を保っている 所もあって最高です。
一方、わが国では自己責任よりも管理責任のほうが重視されているので、その責任を少しでも回避しようと警告だらけです。電車のホームやエスカレータでは黄 色い線内に立て、子供にはエスカレータに引っ掛かるような履物はダメ、電車のドアの隙間に指を挟まれないように、などなどだが、その最たるものは山際を走 る道路の「落石注意」の立て看板だ。車を運転していてあの看板を見ると「どう注意したらいいのだろう」、「そんな警告をするくらい危険な事が分かっている なら事前に防止工事をしろ」と考えてしまう。
(オランダ、ベルギー共通)
⑤ オランダの食事はあんまり美味しくない。「オランダの料理は楽しむためではなく、腹を満たすためにある」と言われる通りでハリングの苦手な自分には朝食の パンとハムが美味しかった。むしろ永く領有したインドネシアの料理が第2の郷土料理らしい(フランスのベトナム料理、イギリスのインド料理のようなもの) だが、オランダまで来てインドネシア料理を食べる気にはならないしねー。 一方、ベルギーは美食の国。何と言ってもムール貝がある。いろいろに料理される ムール貝はどれも美味しかった。とくに、西岡塾の5期生で駐日ベルギー大使館のクレールさんから推薦されたレストランの一つ、肉料理が自慢で日本人にも ファンの多いVincentはふっくらとした大粒のムール貝が特別に美味しかった。肉料理も美味しかったが、やっぱり和牛のステーキには敵わないナー。
⑥ 日本の方が優れていることも勿論多々ある。
・フランスでも同じだが、両国とも飼い犬の糞を始末しない。少なくとも東京では飼い犬の散歩中の糞を飼い主が始末するのは常識となった。全国的にそうだと いう自信はないが、少なくとも東京ではかなり定着している。ところが、オランダでもベルギーでも道端に犬の糞がほったらかしだ。「死の町」という小説で注 目を浴びるベルギーの小さな町ブルージュは中世の町がそのまま静止したような美しい町でベルギーでも1、2を争う観光地だが、観光客が犬の糞を踏み付け て、ギャッと立ち往生し、靴に付いた糞を道の縁に塗り付けて拭っている。こんなのどうかなー? 東京からベルギーに来て長期滞在した人が、飼い犬の糞を東 京での日常通りビニール袋で拾っていたら、「そんなことをしたら清掃人の仕事奪う」とたしなめられたそうだ。
・どちらも美術館のガードたちが喧しい。静かであるべき美術館内のガードたちがクチャクチャと、しきりと仲間同士でおしゃべりに興じている。ハーグのマウ リッツハウス美術館ではフェルメールの名作「真珠の耳飾の少女」をうっとりと観賞しているのに、ガードたちの立ち話が余りに煩いので、堪り兼ねて「館内で は静かにしなさい。鑑賞の邪魔になります」と注意をしてしまった。日本の美術館では考えられないことだ。まあ、その代り日本の美術館では著名な絵が来ると 「立ち止まらず前に進んでください」と連呼される中を押しあいへし合いで見なければならないのだから、うっとりと鑑賞と言う訳にはいかないけどね。でもま あ、ここは両国の美術館のガードに「折角の静寂をガードがぶち壊すな」と猛省を促したい。
・もうひとつ、どちらの国も喫煙者のマナーが悪い。街を行く人たちが颯爽と「くわえ煙草」でポイポイと吸殻を街に捨てて歩く。日頃、喫煙者の歩行中の喫煙 に苦しんでいて、日本人の喫煙マナーの悪さを嘆いているが、日本だけが最悪ではないと変な納得をしてしまった。また、ベルギーには禁煙のレストランも増え ていて助かったが、オランダではレストランの中が煙草臭くておうじょうした。そう言えば今日1月7日から東京のタクシーは全面禁煙となった。TVでその ニュースを見た時はバンザーイと飛び上がりたいくらい嬉しかった。そんなことをベルギーのホテルで考えていたら、CNNで「フランスでバーもレストランも 禁煙」というニュースが流れた。あの愛煙家の多いフランスが、ですよ。良かったーとは思うが、守れるのかなー?
⑦ どこの国にも悪い奴はいる。アムステルダムで購入した、列車、TRAM、バス、美術館一日共通券に運河をボートで巡るクルーズのチケットが付いていた。時 間もあるし、乗ってみようかと船着き場に行ったら、受付オフィスから若者が飛び出してきて、「乗るんですか? OK!早く早く、もう直ぐあのクルーザが出 ます。はい、一人10ユーロ下さい。船まで案内しまーす」と来た。
「何? 一人10ユーロ? チャンとチケットを持っているのに10ユーロ出せとは何のためだ。あんたはここの職員か?」と睨みつけてどんどん進むのに前を 遮って「一人10ユーロで案内します」とシツコイ。ちょうどその時、次の船から船頭が降りてきたので「その男はここの職員か?」と尋ねると首をすくめてい る。若い男を睨み付けて事もなく船に乗り込んだが、どこの国にも悪い奴はいる。  (終わり)